耳の病気・治療ear

単純性鼓膜穿孔

単純性鼓膜穿孔とは

単純性鼓膜穿孔とは穿孔(鼓膜の穴)以外の耳小骨や中耳に病変がなく、穿孔に紙を貼る検査(パッチテスト)で十分に聴力が改善する状態をいいます。活動性の中耳炎があり耳漏が出る場合や、音を伝える耳小骨に問題がありパッチテストでも聴力が改善されない場合などは、単純性穿孔ではありません。

単純鼓膜穿孔の原因について

耳炎では中耳に細菌が感染し膿がたまります。その治癒過程で膿は鼓膜を破って外に耳漏として排出されますが、中耳炎が治まった後にもこの穴が自然閉鎖しない場合に鼓膜穿孔として残ります。よくあるパターンでは、幼児期の中耳炎で鼓膜穿孔が起こり、成人になって細菌感染は治癒して穿孔だけが残っている状態などです。その他には、耳かきなどで鼓膜が破れ自然治癒しなかった場合、 滲出性中耳炎などでチュービング(鼓膜にチューブを入れる治療)をされた後の穿孔が残った場合などがあります。

単純鼓膜穿孔の症状について

伝音性難聴だけが主な症状ですが、まれに風邪を引いたときなどに耳漏が出ることがあります。

単純鼓膜穿孔の治療法について

幼児期から持続する穿孔では、自然には閉鎖しないため鼓膜形成術と言う手術を行います。耳かきなどによる鼓膜の外傷などでは、急性期には自然治癒能力が旺盛で、ほとんどの場合3ヶ月以内に自然閉鎖します。 しかし、3ヶ月以上たっても鼓膜の穴が閉鎖しない場合は手術を行います。