副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)

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副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)
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原因について

頭部には副鼻腔という空気で満たされたいくつかの空洞があり、これらは自然口と呼ばれる細い管で総鼻道(鼻呼吸の通り道)に繋がり、貯まった膿を排泄することができます。この副鼻腔に慢性的に細菌が感染した状態を慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と言いますが、最大の原因は、この自然口(排泄路)の慢性的な閉塞です。自然口が閉塞する原因としては、感染の繰り返しによる炎症やポリープ形成、鼻ススリ癖、アレルギー性鼻炎の合併による粘膜腫脹などが挙げられます。

症状について

細菌の慢性感染とそれに伴うさまざまな症状が出ます。

副鼻腔に膿がたまることで起こる症状

副鼻腔に膿がたまり鼻腔粘膜が腫脹することで鼻閉、鼻汁、嗅覚障害が出現し、また鼻汁がノドに流れれば痰や咳となり気管支炎などの原因にもなります。膿や炎症で副鼻腔内圧が上がると頭や頬部、目の痛みを感じ、まれに視力障害に発展することがあります。子供では、鼻の細菌が中耳に移行して、繰り返す中耳炎や滲出性中耳炎などの原因にもなります。

鼻づまり、口呼吸による症状

鼻がつまると集中力が低下します。鼻呼吸には脳の底を冷却する機能があり、鼻をつまんでしばらく口で呼吸すると頭がボーッとしてくるのはこのためです。また、鼻は非常に高性能なマスク機能を持ちます。鼻呼吸することで空中のほこりや花粉の95%を除去して、さらに冷たく乾燥した空気を吸い込むとほぼ湿度100%に加湿加温します。特に睡眠中は、副交感神経優位で鼻閉が増悪し口呼吸になりやすいので、起床時にノドがカラカラに乾きます。喉の乾燥は、慢性咽頭炎や扁桃腺炎の原因となり、カゼのたびに咽頭痛(習慣性咽喉頭炎)が持続し、さらに気管支にも影響が及び咳がなかなか止まらない(気管支炎、喘息)など症状がでます。ノドが弱いと思っておられる方の多くに、実は鼻が悪い方が多数おられるのです。

睡眠が障害されることで起こる症状

夜間の鼻づまりは、イビキや睡眠時無呼吸(イビキの途中で呼吸が停止する)などの原因となり、深い睡眠がとれないことで頭重感、注意力散漫、イライラ感などの精神的症状も伴います。高度な睡眠時無呼吸では、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病といった様々な全身疾患にもつながり、平均寿命にも関係することが分かっています。

治療法について

慢性副鼻腔炎には治らない病気というイメージがありました。 しかし、新しい医療で多くの慢性副鼻腔炎が克服できるようになりました。
治療には保存的治療(薬や鼻かみなど)と手術的治療があります。

保存的治療(マクロライド系抗生物質の少量長期投与)

過去に適切な治療経験のない方には、まずマクロライド系抗生物質を少量で2〜3ヶ月間 内服を続けることで、重症例でなければ約7割の症例で治癒が期待できます。マクロライド系の抗生物質は通常の抗生物質と違い、細菌を殺すこと以外に粘膜の繊毛機能などを改善し自浄作用を高める効果があるからです。これに加えて、鼻すすりを避け、鼻かみを頻回に行い自然口を開大することも非常に重要です。当院では 生理的食塩水を使った鼻かみ法を奨めています。

手術的治療(内視鏡下副鼻腔手術ESS : Endoscopic Sinus Surgery)

保存的治療に抵抗する場合、あるいはすでに保存的治療を受け改善が見られなかった場合など、保存的治療の有効性が少ないと考えられる場合は手術的治療を行います。但し、薬が効きにくいことが分かっている難治性の副鼻腔炎(鼻内のポリープの存在、好酸球性副鼻腔炎、高度の鼻中隔湾曲症を伴う場合など)なども手術を優先します。
手術の最大の目的は、閉鎖した自然口(排泄路)を清掃し、自浄作用を回復させることです。同時にアレルギーの処理も行いますので、くしゃみ、鼻水、鼻づまりもほとんど消失します。

手術について

日帰りの内視鏡下副鼻腔手術ESSについて

当院では副鼻腔炎の程度に無関係に日帰り手術(内視鏡下副鼻腔手術ESS)を行っています。最新の手術支援機器(フルハイビジョン内視鏡、術中内視鏡クリーナー、マイクロデブリッダー、磁場式ナビゲーションシステムなど)の導入に加えて、当院で独自に開発した医療機器(ジェットイリゲーション洗浄装置、パワーパンチ:永島医科器械株式会社製)を用いることで、短時間の安全で精度の高い日帰り手術を行っています。
特に好酸球性副鼻腔炎は手術しても再発することが多いことから難病指定されていますが、最新機器を用いて丁寧な副鼻腔の郭清を行うことで再発をかなり制御できるようになりました。

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Fiagonナビゲーションテクノロジー

Fiagonナビゲーションテクノロジー
すべての副鼻腔にアプローチができる磁場式ナビゲーションシステム安全で精度の高い手術を支援します。

局所麻酔について

鼻の手術は痛いという定説があり、今でも全身麻酔を希望される方もおられます。しかし、麻酔技術の進歩により意識のある局所麻酔でもほとんど痛み苦しみがなく、当院では開院時より局所麻酔手術を続けています。全身麻酔では多くの薬剤を使い意識や呼吸を止めた状態としますが、これには却って色々な危険が潜んでおり、重大な事故の多くが全身麻酔で起こっています。意識のない全身麻酔では、意識下でどんなに痛くても苦しくても何も訴えることができないことが大きな要因として挙げられます。痛みの情報は、そこが重要な神経や血管の近傍であることを意味し、術者にとって非常に貴重な情報です。当院では、局所麻酔の技法を改良することで、ほとんど痛みや苦しみがなく、しかも患者さんと会話できる状態で手術を行っています。もし手術中に痛みや異変を感じられた場合には、手持ちのボタンを鳴らしてもらうことで術者に知らせることができ、その時点で術者は麻酔を追加し除痛します。但し、ほとんどの患者様がボタンを鳴らされることはなく、さらに点滴から抗不安剤も用いますので、ややウトウトした状態で手術を終えられています。
術中に患者様とコンタクトがとれ、モニター画面を共有しながら病態を説明でき、しかも痛みや苦しみのない局所麻酔であれば、全身麻酔より遙かに安全で優れていると考えています。

手術の危険性について

当院では今までに重大な事故の発生はありませんが、副鼻腔手術では以下の危険性が考えられます。

  • 術後出血:術後2ヶ月経過しますと術後出血はなくなりますが、この間は治癒過程で突然に出血することがあります。出血が高度の場合には止血処置が必要となります。手術された患者様には緊急連絡先(術者の携帯電話番号)をお知らせしています。
  • 眼の障害:眼に障害が及ぶと、ものが二重に見える、失明するなどがまれにあります。当院ではこの様な事故は起こっていません。
  • 脳の損傷:鼻の上方は脳ですが、脳を包んでいる膜が破れると髄液がもれる(髄液漏)、さらに髄膜炎を起こすなどがまれにあります。当院ではこの様な事故は起こっていません。
  • 術後感染:現在、耐性菌(各種の抗生剤が効きにくくなっている細菌)が広く蔓延し、鼻で感染すると発熱や痛みなどの原因となります。少ない頻度(1〜3%)ですが、もし術後感染が起これば頻回の鼻処置や投薬など必要な処置を行います。
  • 鞍鼻(あんび):鼻中隔湾曲矯正術後に、鼻の外見上の高さが低くなることがあります。非常に少ない頻度(1%以下)ですが、この場合、形成外科的手術を行います。
  • その他まれな問題:極論すれば、すべての手術で心臓や呼吸器などに問題が発生し生命の危険を生じることもありえます。当院ではこの様な事象は起こっていませんが、何か問題が生じれば可及的に速やかに対処します。
    • すべての手術には何らかのリスクが伴いますが、当院では可能な限りの予防と対策を講じ、また患者様への十分な説明と理解、同意の上で手術を行っております。

術後の生活について

手術当日は出血しやすい状態ですので、帰宅後自宅ベッド上で極力安静にして下さい。手術翌日に止血用の鼻内タンポンの半分を抜去します。つぎの再診は1週間後で、この時残りの詰め物を抜去します。この間は、術後の浸出液や腫れでかなりの鼻づまりとなります。軽労働は術後2〜3日より可能で、この時点より入浴洗髪などを含めて通常の日常生活が可能となります。鼻は術後2〜3週間でかなり通るようになりますが、鼻粘膜の創が完全に消失するまで約2ヶ月程度はかかります。この間は、まれに術後出血(突然鼻血がでて止まらない)の危険性があります。問題発生時は、術者に連絡できる体制を取っております。

よくある質問

Q.アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎はどう違いますか?
A.アレルギー性鼻炎は、ダニやほこり、花粉など、抗原に対して過剰に反応するという体質的な疾患です。一方、副鼻腔炎は、カゼなどを契機に副鼻腔に細菌が感染するのが原因です。全く異なる病態ですが、アレルギーがあると鼻腔粘膜が腫れ空気が通りにくくなり、細菌が感染しやすい状況をつくります。従って、アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎は合併していることが非常に多いです。
Q.鼻づまりは市販点鼻薬で治すことはできますか?
A.鼻づまりに即効性のある市販の点鼻薬があります。これらの中には血管収縮剤が含まれており、鼻粘膜の無数の毛細血管を強く収縮させます。これにより粘膜は薄く引き締まった状態となり、鼻の通りは一時的に著明に改善します。しかしながら点鼻薬を長期に常用されると、血流抑制に対抗して毛細血管の異常増殖が起こり、逆に粘膜は腫脹し血管収縮剤に対する反応も悪くなります。このような患者様では、手術時の出血が非常に多くなり、術後の腫れの消退にも時間がかかります。市販点鼻薬の常用は、長期的には鼻づまりを悪化させます。
Q.副鼻腔炎は市販の内服薬で治すことはできますか?
A.市販薬の副鼻腔炎に対する医学的な分析や報告は明確なものがありませんので、否定も肯定もできません。
Q.子供の副鼻腔炎 早く気がつくにはどうしたらいいですか?
A.鼻づまりや鼻汁に加えて、いつでも口が半開き、鼻をかまないで鼻ススリをしている、イビキがひどい、集中力がない、中耳炎になりやすい、ご両親や血縁者にアレルギーや副鼻腔炎があるなどの場合は注意が必要です。
Q.副鼻腔炎 日常生活で注意することは?
A.副鼻腔炎では自然口(排泄路)が閉塞することが大きな原因と考えられます。鼻ススリや口呼吸の習慣は、自然口を閉塞させる方向に働きます。当院で慢性副鼻腔炎の手術をされた9割以上の患者様が以前からの鼻ススリ癖がありました。鼻ススリをやめて鼻カミを励行されれば、軽症の方、若年者であれば完治する可能性も十分あります。
Q.全身麻酔の手術はできますか?
A.当院では全身麻酔を行っていません。お子様など、全身麻酔が必要な場合は、近隣の岩野耳鼻咽喉科サージセンター(豊中服部)にて1〜2泊入院で手術を行います。
Q.局所麻酔は痛いですか?
A.局所麻酔とは手術を行う部位だけを注射で麻酔する方法で、意識はあります。はじめに鼻の中を麻酔液のしみ込んだ綿花で表面麻酔します。その上で麻酔液の注射をしますので、注射に伴う痛みもほとんどありません。
Q.手術時間は何時間くらいですか?
A.通常、約2〜3時間くらいです。
Q.手術痕は残りますか?
A.鼻の穴から内視鏡を用いての手術ですので、外見上の創は残りません。
Q.好酸球性副鼻腔炎の難病指定は可能ですか?
A.好酸球性副鼻腔炎は、原因不明で確立した治療法がないことから平成27年に厚生労働省より難病指定されました。指定を受けた医師に限り、医療費助成の申請に必要な診断書を作成することができます。当院には指定医がいますのでご相談下さい。
Q.手術は何曜日にしていますか?
A.月・火・水・金 に行っています。全身麻酔が必要な場合、木曜日に岩野耳鼻科サージセンターにて行っています。曜日により、執刀医が変わります。
Q.すぐに手術は受けられますか?
A.手術の予約状況により、お待ち頂く期間が異なります。これに加えて、手術前には心電図、胸レントゲン、採血など(術前検査:手術の約2〜3週間前)を行い全身的問題がないかチェックします。さらにこの結果をふまえて、医師及び看護師より手術の目的と危険性などの説明(術前説明:手術の約1週間前)を行います。これらを含めると、最短でも手術を決定してから約1ヶ月は先になります。
Q.子供の手術はできますか?
A.お子様など、全身麻酔が必要な場合は、近隣の岩野耳鼻咽喉科サージセンター(豊中服部)にて1〜2泊入院で手術を行います。
Q.入院できますか?
A.当院には入院設備はありません。
Q.手術には付き添いが必要ですか?
A.基本的に手術後は必ず付き添いの方と同伴で帰宅される必要があります。また、手術当日のご自分での運転は、薬物運転になりますので絶対に避けて下さい。
Q.手術を受けたいのですが、遠方なので日帰りは難しいのですが?
A.当院では、遠方の方も多数お越しいただいております。手術当日など近隣のホテルをご案内しております。
Q.手術後、どれくらいで仕事できますか?
A.軽労働は術後2〜3日で可能で、この時点より入浴洗髪などを含めて通常の日常生活は可能です。1〜2週間は浸出液や腫れでかなりの鼻づまりとなります。術後2週間でほぼ元の生活に戻れます。
Q.お風呂はいつから入れますか?
A.翌日シャワーのみ可能、2日目以降入浴可能です。しばらくは出血の危険性があり、長風呂は避けて下さい。
Q.運動(プール)はいつから可能でしょうか?
A.治癒過程には個人差がありますが、通常、術後2週間以降可能です。
Q.術後、どれくらいの通院が必要ですか
A.治癒過程には個人差があり通院頻度は若干異なりますが、通常、手術の日から数えて、翌日、1週後、2週後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後に診察させて頂き、以後6ヶ月おきに定期点検し、術後6ヶ月から1年でCT検査にて再発のチェックをします。術後2年間経過して異常なければ終診とさせて頂いています。
Q.手術が必要な場合、どの程度の費用が必要ですか?
A.副鼻腔炎の程度により内視鏡下副鼻腔手術の施行範囲に段階があり、それに伴って保険点数も異なります。また、年齢、所得、限度額認定証の有無などでも大きく異なります(3割負担で日帰り局所麻酔 両側手術の場合、約6〜26
円)。詳しくは、具体的手術方法が決定した時点で説明させて頂きます。高額医療限度額認定証の取得については、ご加入の保険者にお問い合わせ下さい。
Q.お支払いにクレジットカードは使えますか?
A.申し訳ございません。お使い頂けません。現金でのお支払いをお願いしております。
Q.任意加入の生命保険の診断書は書いてもらえますか?
A.当院は外来での手術算定をしております。入院を前提とした診断書は扱えませんが、外来扱いの診断書は作成させて頂きます。