好酸球性副鼻腔炎

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好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎とは

最近難治性の副鼻腔炎として好酸球性副鼻腔炎が注目されています。従来の副鼻腔炎が細菌感染であったのに対して、原因は不明ですが体内の好酸球(白血球の一種)が暴れだし異常な炎症を起こし、難治性の多彩な症状が出現します。

従来の副鼻腔炎が若いころから持続する慢性的疾患であるのに対して、好酸球性副鼻腔炎では成人になってから正常であった人がカゼなどを契機に突然発症し、非常に粘性の高い鼻汁、多発性のポリープ(ハナタケ)による鼻閉、嗅覚障害、難治性の咳嗽(喘息の合併)などの症状が出現します。CT検査では、特に篩骨洞(目と目の間に存在する副鼻腔)に病変が集中(篩骨洞優位)します。顔の真ん中に存在する嗅裂を閉塞しやすいため嗅覚障害が生じやすいのです。細菌感染が主体ではないので従来の抗生剤が効きにくく、その代わりに異常な炎症を抑制するステロイドが有効です。好酸球は主に鼻から気管支の空気の通り道(気道)で増殖し、鼻では副鼻腔炎、気管支では気管支喘息を起こします。アスピリンや非ステロイド系解熱鎮痛薬(NSAIDs)により発作が誘発されるアスピリン喘息も好酸球性副鼻腔炎の重症タイプと考えらます。さらに、鼻から耳管という管を通して中耳に波及して好酸球性中耳炎を合併することもあり、これも難治性です。まれに消化管に移行して、腸管で腸炎を起こす場合もあります。

特徴

1)成人発症
2)多発性のポリープ(ポリープ中にも好酸球が増加)
3)粘稠な鼻汁
4)嗅覚障害
5)CTでは篩骨洞に病変が集中(篩骨洞:目と目の間に存在する副鼻腔)
6)血中好酸球の増加
7)喘息(アスピリン喘息含む)を合併する場合がある
8)一時的にはステロイドの全身投与が非常に有効
9)抗生剤の有効性が乏しく、多くが難治性

治療

従来の副鼻腔炎とは異なり細菌感染が主体ではないので、従来型の副鼻腔炎に対するマクロライド系抗生剤の有効性は低いのです。好酸球性副鼻腔炎に対して漫然とマクロライド投与を続けられている場合によく遭遇しますが、効果のない抗生剤の長期投与は逆に耐性菌の発現(薬の効きにくい細菌のみが残る)の危険性があります。一時的にはステロイドの内服が非常に有効ですが、ステロイド全身投与の長期投与は副作用の問題があります。長期的にみたステロイドの使用量を減らすため、高度の好酸球性副鼻腔炎では手術が第一選択と考えられています。従来の副鼻腔炎に比較して、この疾患では術後再発する確率も高くなりますが、手術方法も改善され以前より治療成績は向上しています。従来の副鼻腔炎手術が副鼻腔に対して換気をつけるのが重要な目的でしたが、これに加えて特に篩骨洞の病的粘膜をできるだけ除去し好酸球の居場所を減らすことが重要です。多くの場合、術後ステロイド使用回数を減少でき、後鼻漏や喘息症状も含めて寛解される方も多数おられます。

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難病指定

2015年7月から好酸球性副鼻腔炎が厚生労働省により難病指定されました。診断には難病指定医によるCT検査、血液検査、鼻ポリープ組織検査(ハナタケの採取)と、これらが一定の基準を満たしたことを証明する診断書が必要で、これを申請窓口(保健所など)に提出、受給者証が交付されます。認定されればこの疾患に関わる検査、手術、投薬などの治療費の自己負担額がかなり軽減されます。(ご本人の年収で異なります)

当院では術前に好酸球性副鼻腔炎が疑われ鼻内に採取可能なポリープ(ハナタケ)が存在する場合などでは、手術前に組織検査等を行い、結果が診断基準を満たせば認定医により診断書を作成します。